「きみが死ぬまで恋をしたい」第6話 感想|血まみれで"届けられた"ミミを、シーナは抱きしめた
この記事には「きみが死ぬまで恋をしたい」 第6話のネタバレが含まれます。未見の方はご注意ください。

「きみが死ぬまで恋をしたい」第6話「おかえり」は、タイトルのたった4文字がこんなに重くなる回があるのか…と思わされる回でした。前回シーナがミミに託した「怪我しないで帰ってきて」というお願いが、いちばん残酷な形で返ってきます。
「いつも通り回収してきた」のが、ミミだった
冒頭、夜の森でひとり戦うミミが思い出していたのは、シーナの「待ってる。絶対待ってるから」という言葉でした。そして敵に向かう直前の「ごめんね、シーナ」。この2つが並んだ時点で、今回がどういう回になるのか分かってしまって、開始1分でもう構えてしまいました。
治療で手が離せないフラン先生を奥の部屋で待つシーナに、上級生担当の先生が「いつも通りに回収してきた」と包みを預けて去っていきます。中身を知らないシーナが「なんだろう、これ」と覗き込む——それがミミでした。血まみれで、自分では立てない状態で"届けられる"んです。それでもミミは笑って「痛くないよ」「怪我なんてしてないよ」と言い、こう続けます。ミミはみんなと違ってすぐ治るから、綺麗にしてからシーナのところに戻ればいいと思っていた、と。そして「怪我しないでって言われたのに、シーナのお願い守れなくてごめんね」。
ここでシーナは、制服が血で汚れるのも構わずミミを抱きしめます。「シーナ汚れちゃうよ」と気遣うミミに構わず、ただ抱きしめて泣く。そのうえで「怪我しないでなんて言って、分かってないのは私の方だ」と自分を責めるんです。それに対するミミの「謝っちゃやだ」「ミミは嬉しかったよ」が刺さりました。帰りを待たれること、怪我しないでと願われること自体が、ミミにとっては初めてもらった贈り物なんですよね…!
花冠を戦場に持っていく理由
一方で大人たちは、戦線の拡大と上級生の犠牲の増加を前に「ミミだけに頼っているわけにもいかない」と動き始めます。戦場に出せる生徒を探すため、実力試験の対象が下の学年にも広がっていく——その裏で、シーナは生まれて初めて授業をサボります。ミミを連れて中庭に行って、花を摘んで、花冠を作る回です。
前に作った花冠をミミが戦場へ持って行っていたと知って、シーナが理由を聞くと「懐に入れておくと楽しいことを思い出すから」。今回いちばん好きな一言でした。ミミにとって花冠はお守りでもお洒落でもなく、"楽しいことを思い出すための装置"なんです。そしてシーナが花に向けて願う「できるだけ長く元気に咲いててください。どんなに傷ついても、何度でも笑えるように」。完全にミミへの祈りで、それが「私がここで生きる意味があるとしたら、それはきっと——」に繋がっていく流れが本当に綺麗でした。
セイランの相手はミミ。試験で本当に測られるもの
今回のもう一つの軸がセイランです。オミ先生に呼び出された彼女に告げられたのは戦闘実力試験。通例なら最上級生と一対一で決闘するのに、今回は上級生の都合がつかず、相手役はミミ。普段一緒にご飯を食べているクラスメイトと戦うことになります。
まだ14歳なのに、先生にうまく乗せられたんじゃないかと心配するクラスメイトに、セイランは「私は望んでこの試験を受けるんだ」と返します。シーナが言うには、セイランは戦争が好きなわけじゃなく、言葉が強くて誤解されやすいだけの、真面目でまっすぐな人。身寄りのない自分たちを引き受けて教育まで受けさせてくれたこの場所に、戦うことで恩を返すしかない——「それがここと私たちの約束」。この世界の仕組みを一行で言い切ってしまう台詞で、正直ぞっとしました。
その夜、アリが指摘します。「上級生の都合がつかなかった」というのは嘘だと思う、と。成績優秀なセイランがこれまで招集されてこなかった理由、そして試験で本当に測られるのは——毎日一緒にご飯を食べるクラスメイトでも、一度敵となったら感情を交えず殺す気で戦えるか。4話でオミ先生が繰り返していた「戦場では何の感情も交えず敵を殲滅せよ」が、ここで試験の中身として戻ってくるのがうまいです。
スラムで死にかけていたところをあの日先生が見つけてくれなかったら、無知で無力なまま、子どものままひとりぼっちで死んでいた。それにここでアリにも出会えなかった——だから恩は返したい、そのためなら相手が誰だって戦う。セイランの覚悟は、この学校の仕組みがそのまま人の形になったものでした。試験までシーナやミミと話さないと決めた彼女の「嫌いになったわけじゃないよ、私の気持ちの問題だから」も、ミミと交わした「お互い、正々堂々全力で戦おう」の握手も良かったです。
百合的注目ポイント
今回は「汚れることを選ぶ」場面が、そのまま百合的な見せ場になっていました。ミミが「汚れちゃうよ」と遠ざけようとするのを、シーナが抱きしめて無視する。綺麗になってから会おうとしたミミの気遣いを、シーナが正面から壊していく。距離を詰めるって、こういうことなんですよね…!
もう一つはアリとセイランです。夜の特訓でケガをしたアリに、セイランがそっと顔を寄せて修復魔法をかける——この作品のキスはあくまで治療なのに、毎回ちゃんと恋愛の重さを持ってしまう。5話のエスタ先輩と同じで、主人公2人の外側にも同じ関係と同じ喪失の予感が置かれているのが、この作品の怖くて尊いところです。
そしてラスト、「ミミのこと応援してくれる?」と聞くミミに、シーナが「どっちも応援してる」と答えるのがもうつらい。決闘を見る側に立たされる痛みまで丁寧に描いてくるのが本当にずるいです…!
次回は第7話「もう怖くないよ」。セイランとミミの決闘と、それを見ることになるシーナ。あのタイトルが誰の言葉なのか、今から怖いです。あなたはこの6話、どう見ましたか?よかったら作品ページのレビューで感想聞かせてください。7話の感想も続けて書きます!
